大富豪になる人は、どのようなお金の使い方をするか。大手証券会社のプライベートバンキング部門で数多くの富裕層を担当していたZUU代表の冨田和成さんは「大富豪になる人は、自分が若くして年収2000万を貰う立場になったら、将来のさらなる飛躍のために有効に使う。彼らは、そうやって元本を大きくしていき、放っておいてもお金が増えるレベルまでなったら、初めてそこから得られる利益で贅沢な暮らしをすればいいと考える」という――。

※本稿は、冨田和成『世界の大富豪が実践しているお金の哲学』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

日本円で1万円札が広がる
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年収2000万円前後の大富豪はほぼいない理由

将来を考えるとき

一般人は、
年収2000万円をあきらめる

小金持ちは、
年収2000万円で満足する

大富豪は、
年収2000万円を通過点と考える

日本で年収が1000万円以上の人の割合は約5%。給与水準が高い業界で働いている人なら、役職がつかなくても到達できます。ただ、これが2000万円以上となると約0.6%まで下がります。「年収が2000万円もあれば大富豪だろう」と信じてやまない人が多いはずです。

しかし、現実は違います。

年収2000万円前後の大富豪は、ほとんどいません。資産どころか借金を抱えている人もいます。

その原因は浪費で、このケースに陥りやすい典型例は外資系企業などに勤める若いエリートサラリーマンです。

勉強もできて仕事もできるのでしょうが、彼らは所詮、雇われの身。お金に対する考え方は市井しせいの人と大差ありません。そういう人の口座に毎月百万円以上も振り込まれると、感覚がおかしくなるのでしょう。

2000万円を使い切るのは簡単です。

たとえば、都内には高級タワーマンションがたくさんあります。月々の家賃が60万円などザラで、広告を見れば「セレブ」「エレガント」「プレステージ」など扇情的な言葉が並んでいます。そこに反射的に飛びついてしまうわけです。

しかし、冷静に考えれば家賃だけで年間720万円。それ以前に税金と社会保険で600万円以上取られ、手元には680万円しか残りません。

豪華な家に住んで慎ましい生活を送ろうとする人はいないでしょうから、食費、交際費、車、ファッション、海外旅行と支出が止まりません。

見栄ほどコストのかかるものはありませんからね。

これでは貯金ゼロになって当然です。