周りを幸せにしないと、自分も幸せになれない

人はいつ、どこで、誰が協力者になってくれるかわからない。相手に何かあったときに「そういえば、あの人なら」と思い出してもらえる存在になれるかどうかが、将来を分ける道になる。

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信頼を勝ちとる

これは「イエス・ノーがすぐに言えないメールでも、受け取ったことだけは、その日のうちに返信する」ような、小さな好印象の積み重ねが大事だ。1000通のお礼メールのうち、999通はそのままで終わっても、残りの1通が何かにヒットし、自分の大きな成果に結びつく可能性がある。このような信頼を勝ちとるための積み重ねは、地道に続けてこそ意味がある。

アポ入れにルールを設けるのは、ベストな状態で相手に会うための工夫でもある。私の場合、接客は火曜と木曜の午後と決め、2時間単位でアポを組むようにしている。まず4~6時、次に2~4時の枠に入れる。自分の場合は朝型ではないので、午後のほうが頭が働くからだ。強みだけでなく、弱みも含めて自分自身を知ることも大事だ。

「自分にとってミッションと思える役割や、この仕事で人の役に立ちたいと思える仕事がある」の設問では年収1500万円以上と年収500万円台で26ポイント以上の開きがあった。これは、自分の人生を真剣に考えているかどうかの違いだと思う。

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社会への恩返し

また、「仕事で得たお金の一部を、何かしらの団体や財団に寄付するなど、人のために使うようにしている」「自分の能力やスキルを無報酬で提供することで、社会へお返しするような取り組みをしている」「自分のためだけでなく、家族や友人など、周囲の人のためにもお金を使うようにしている」の設問でも大きな差が出ている。

これは、高年収者ほど、周りを幸せにしないと、自分も幸せになれないことに気づいているからではないか。人に生かされ、社会に生かされている感覚が持てると、貢献心が生まれてくる。

私も、ささやかながら、同じくベンチャーの経営者であり、ビジネス書作家でもある仲間5人と、世界で活躍する日本人起業家やビジネスパーソンを支援するためのボランティア組織を発足し、13カ国でチャリティーセミナーを開催するという活動を行っている。これまで培ってきたビジネス経験や知識が少しでもお役に立てばと願っている。