全身に広がるテストステロンの影響

侮れないのは、テストステロンの低下は単純な性機能の問題を超えて、全身に連鎖的な影響を与えること。最も顕著な変化は体組成の変化です。テストステロンは筋肉の構築と体脂肪の減少を助ける重要な役割を果たしているため、値が低下すると筋肉量が減少する一方で、特に腹部周辺の内臓脂肪が増加し、いわゆる中年太りが目立ち始めます。

この内臓脂肪の蓄積は単なる見た目の問題ではありません。肥大化した脂肪細胞は血圧と血糖値を上昇させる炎症性物質を分泌し始め、悪循環を引き起こします。このプロセスがメタボリックシンドロームの基盤となり、テストステロンが低下した男性において、糖尿病、高血圧、その他の生活習慣病のリスクが高まる原因となっています。

さらに、体の筋肉や体力が落ちやすくなり、いわゆる「フレイル(虚弱)」や「サルコペニア(筋肉量の減少)」が進みやすくなることが分かっています。また、テストステロンが低下すると骨も弱くなり、骨密度が下がったり骨折しやすくなったりすることが報告されています。