スリランカ上座仏教長老 
アルボムッレ・スマナサーラ

人生はトラブルや苦悩、悲しみや不安に満ちています。勤務先の業績悪化、リストラの危機、愛する家族との別離、夫が鬱に、妻がガンに、子供がニートになった等々。これらの深刻な問題が、いつ自分の身にふりかかってくるかもしれません。

ブッダは生命とは何なのかと調べた結果、「苦」だという答えを出しました。私たちは幸せを求めて生きていると思っていますが、じつは「命は苦でできている」のです。なぜご飯を食べるかと言えば空腹感が苦しいから。呼吸するのも呼吸しなければ苦しいからです。すべての欲望の裏には苦があって、それが原動力となって命は動かされているのです。