プロセスの工夫が能力向上につながる
ここまで「差異化可能なビジネス経験」について語ってきましたが、主張したかったのは、安易に資格に飛びつくのではなく、経験を主軸に自分の仕事のあり方を考えてみてほしいということです。
日々の自分の仕事について振り返ってみてください。みなさんの仕事を、左記の3種類のカテゴリーに分けたとしたら、どのようになるでしょうか。
(1)能力向上につながりそうな、やりがいのある面白い仕事
(2)一見面白くない仕事だが、やりようによっては面白くできる仕事
(3)やらされ感いっぱいの雑用
すべてが(1)であるならば、何の苦労もないのですが、現実はそう甘くはありません。何を隠そう、私の場合は、(1)が1割、(2)が7割、(3)が2割くらいです(笑)。すべて(3)だという人は、本気でキャリアを見直す時期にあるのかもしれません。しかし、大抵の人は、(2)の割合が1番多いのではないでしょうか。
問題はいかにして(2)を(1)に替えていくかです。そのための方法のひとつは、「仕事を楽しむ工夫をすること」だと思います。たとえば、上司から課せられた仕事を、より質の高いものに仕上げるようにプロセスを工夫してみる。そして、仕事の成果とともにその工夫を上司へ伝える。そのようなことを繰り返すうちに、あなたに対する評価が上がり、(1)の経験が増えていくかもしれません。
(構成=井上佐保子 写真=PIXTA)