中国が狙う「くさび戦術」の絶好のチャンス
政治的不安定は、戦略的競争相手にとって絶好の機会となる。筆者がインド太平洋地域の高官たちに聞いたのは、日本の内政混乱が中国、ロシア、北朝鮮に付け入る隙を与えるという深刻な懸念だった。
中国はすでに、日本の前回の政治的混乱期に東シナ海での領土主張を巧妙に進めた過去がある。2010年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件から2012年の国有化まで、まさに日本の政治的混乱期に合わせて段階的に圧力を強めていった。海上保安庁の巡視船への体当たり、接続水域への侵入常態化、そして島の実効支配への野心を露骨に示した。
今回はどうかといえば、中国はより強硬な習近平政権下で、アメリカの政権交代の可能性も重なり、リスクは格段に高まっている。中国の国営メディアは早くも、「アメリカの予測不可能性」や「ワシントンへの過度な依存の危険性」を強調する情報戦を展開し始め、日米同盟を妨害しようとしている。台湾有事のシナリオも、日本の政治的混乱は中国にとって都合がよいのだ。
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