──次の「東京の顔」は誰になるのか。都民ならずとも日本人最大の関心事と言ってもいいだろう。本誌は、都知事選への立候補を表明した小池百合子氏への独占インタビューに成功した。

崖から飛び降りる覚悟で、6月29日に東京都知事選への出馬を表明しました。会見後に“崖から”でいいのかという指摘がありましたが、東京スカイツリーや清水の舞台から飛び降りてでも構いません。私の政治信条である「政治家をやっていると、追い風も向かい風もある。バタッと風が止まるときもある。そのときは、崖から飛び降りてでも自分から風を起こせ!」に従ったのです。2005年の郵政選挙で選挙区を東京に移したときと同じように、思い切った決断ができました。策士だ、絶妙なタイミングだと言う人もいますが、私としてはギリギリのタイミングでした。これ以上遅くなると、政策論争すらできない知名度だけの都知事選になってしまうからです。とはいえ、皆さんもご存じのようにいろいろな風が巻き起こりましたね(笑)。

小池百合子氏は、都知事選でも国民の共感を得られるか。

日本社会では、人と違うことをしようとすると周囲から反対され、杭を打たれてしまうことが多々あります。ですが、時にはイチかバチかの決断をすることで、大きく前進できるのです。これは、ビジネスマンにとっても一番必要なことではないでしょうか。

こういう決断をできるようになったのは、石油関連の仕事をしていた父の影響です。戦後の苦しい時代を生き抜いた自立精神旺盛な父で、「やれることはやりなさい」「失敗したらあなた自身のせい。責任は自分で取るものだ」と、繰り返し聞かされて育ちました。子どもながら、「挑戦して失敗しても自分で責任を取ればいい」と考えるようになっていったのです。父は「新しいところや高いところに突き進まなければ後退あるのみ」「皆と同じことをしていたら安心だけど、奈落に落ちるときも皆一緒。だから自分で這い上がれ」とも言いました。今の私に繋がっている、ありがたい教えです。