「シングル男性は女性よりも年収が高いのですが、そのわりに貯金がない人が多い。女性はコツコツ貯金していますが、男性はあまり老後のことを考えてない。というよりも『考えたくない』。定年になったら、あっさり死んでしまうと思っているんじゃないでしょうか」
しかし、なかなかそうはいかないもの。加藤茶のような老後はさておいて、金子氏による「幸せな老後に着地するためのアドバイス」はまずキャッシュフロー表とライフプラン表を作ることだ。キャッシュフロー表は、今後数十年の収支の動きをシミュレートして一覧表にしたもの。ライフプラン表は、今後どのようなライフイベントが起きるか、いつ・何をやりたいか、それにはどれだけお金がかかるかなどの人生設計図だ。フォーマットはネットで探してダウンロードするといい。
「老後は1カ月25万円あれば、飲みにいったり、趣味をやる余裕もできます」
老後の1カ月の生活費の平均額は15.6万円だが、都会に住み、それなりの収入を得ていたサラリーマンなら、10万円は多く見積もっておかないと余裕のない生活になる(図参照)。
「できれば老後資金の用意は早いほうがいい。50歳で現状確認して、50代の10年間でなんとか貯めるのでも遅くはない。資産運用以前に、忙しすぎてお金が普通預金に入ったままのような人は、まずは天引き貯金。知らない間にお金が貯まるようにする、一番楽な方法です」
年に300万円必要として、定年の60歳から平均寿命の約80歳まで計算すると、合計6000万円。今の40代では、年金額が現状のままなら2000万~3000万円の「自分年金」があればいい。大企業の正規雇用なら、企業年金の上乗せもあるので、年金だけでなんとか生活できる人もいる。