2024年12月2日以降、現行の保険証は新たに発行されなくなり、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する。しかしマイナ保険証の利用率はいまだに10%台だ。政府はマイナ保険証の普及を急ぐのか。個人情報保護に詳しい中央大学教授の宮下紘氏に聞いた――。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年12月13日号)の一部を再編集したものです。

マイナンバーカードを搭載したICカードリーダー
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

残り2カ月の状況でも86%が「紙の保険証」

日本社会の「DX(デジタルトランスフォーメーション)のインフラ」と、政府が位置づけているのが、皆さんもご存じの「マイナンバーカード(個人番号カード、以下マイナカード)」です。国民のさまざまな個人情報をデジタル化して、マイナカードで活用できるようにすることで、行政手続きの効率化・高速化、革新的な利便性アップにつなげるというのが政府の主張です。

2016年の交付開始以来、政府が普及に努めた甲斐あって、すでに国民の約8割がマイナカードを保有しています。政府は、マイナカードの利用促進にも余念がありません。その目玉の政策として、24年12月2日には、従来の「健康保険被保険者証」を実質的に廃止し、マイナカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」に切り替えようとしています。