仕事観でその人の潜在能力がわかる

三人の煉瓦れんが職人の話がある。三人の煉瓦職人が「君たちは何をしているんだい?」と聞かれたとき、一人目の職人は「煉瓦を積んでいます」と答えた。二人目は「1時間3ドル30セントで働いているのです」と答えた。だが三人目の職人は「私ですか? 私は世界最大の大聖堂を造っているんですよ」と答えたというのだ。

この話はここで終わりで、彼らがその後どうなったのかについては語っていない。しかしおそらく最初の二人は、そのままの煉瓦職人で終わっただろう。彼らにはビジョンがないし、仕事に対する自尊心もあまりない。大きな成功をもたらす何かが欠けているのだ。

これに対して三人目の、世界最大の大聖堂を心に描いていた男は、決して煉瓦職人のままでは終わらなかっただろう。少なくとも職長か請負人、ひょっとすると建築技師になったかもしれない。そしてもっと前へ、上へと昇っていったと思う。なぜか?

彼の考え方がそのことを実現させてくれるからだ。三人目の煉瓦職人は、自己発展の道を示すチャンネルに、自分の考え方をあわせているからである。

ダビッド・J・シュワルツ著、桑名一央訳『大きく考えることの魔術』(実務教育出版)

仕事に対する考え方は、その人の潜在的な能力を推しはかるものなのだ。就職コンサルタントをしている友人はそのことをよく知っていた。

「就職希望者にいつも注意することは、その人が現在の仕事についてどう考えているかということです。いまの仕事のどこかが嫌いになっていても、その仕事は重要な仕事だと考えている場合には、その人からはいつも好印象を受けます」

「その理由は簡単です。そういった人からはプライドが感じられるからです。そして、いまの仕事が重要だと感じている人は、仕事を移っても、プライドを失わずにいい仕事ができるはずなのです。仕事に対する尊敬の念と仕事の成果とは、驚くほど緊密に関係しているのです」

一流の人として振舞おう

外見と同じように、あなたの仕事に対する考え方も、多くのことを周囲の人に語っている。

だから、自分は二流だ、必要なものが欠けている、失敗するだろう、弱い人間だと考えている人は、やはり凡庸の域を出ないだろう。

逆に、私は重要なのだ、私は必要なものを持っている、私は一流の人間だ、私の仕事は重要な仕事だと考えてごらんなさい。そうすれば、成功への道をまっしぐらに進むことになるだろう。

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