人から大切にされる人と、ぞんざいに扱われる人は何が違うのか。1959年にアメリカで発売されて以来、世界中で読まれている自己啓発本、ダビッド・J・シュワルツ著『大きく考えることの魔術』(翻訳:桑名一央氏/実務教育出版)より、その一部を紹介しよう――。
自宅で仕事をするラフな服装のビジネスマン
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人によって扱われ方が違うのはなぜか

店の店員が、ある人にはていねいに「おはようございます。なにかご用は?」と挨拶するのに、他のお客にはぶっきらぼうな態度で接するのを見て、不思議に思ったことはないだろうか。あるいは、ある女性のためにはドアを開けてあげるのに、ほかの女性に対してはまったくそうしないのはなぜなのか?

このような例は見回せば数多くあるだろう。ある人は「おい」とか「こら」といった扱いを受けるのに、別な人は丁重に扱われる。よく観察してみたまえ。信頼や忠節、賞賛を受ける人と、そうでない人がいるのに気づくはずだ。

どうしてこうなってしまうのだろうか?

ひと言で言ってしまえば、それはあなたの考え方からくるのだ。われわれは、自分がそれに値すると考えているような扱いを受けているのである。

自分は劣っていると考える人は、その人の本質がどうであるかには関係なく、劣っている人の扱い方をされる。劣っている人は、劣っている人なりの行動をとるからだ。劣等感を持っていれば、彼はそのような行動をとる。どんなに隠そうとしても、長い間それを隠し通せるものではない。どこかで劣等感を持った人の行動をとってしまうのだ。

こうして自分が重要な人物ではないという劣等感を持っている人は、重要ではない人間となってしまうのである。考えが行動を規制するのだ。