「〜かも」の視点を持つ
発達障害の特性や知的な発達の遅れがあると、「これで伝わるはず」という伝える側の憶測と誤解が起きることが多く、大人と子どものディスコミュニケーションの原因になります。
片方(この場合は大人)は「相手(子ども)はイメージできているはず!」と思いつつ、片方(この場合は子ども)は充分にイメージできていないまま厳しいことばだけが降ってくる状況です。
この誤解をできる限り避けるために、「目の前の子どもは私が話そうとした内容と同じものに注意を向けている、目の前の子どもは私のことばを私の意図通り理解しているはず」、という幻想からまず離れることが大事です。
もしかすると目の前の子どもは私と違うことを見ている「かも」しれない、もしかすると目の前の子どもは私のことばの意味を取り違える「かも」しれない、という前提に立っておきましょう。
強い言葉ではなく「伝わる声かけ」を
目の前の状況を確認し、その後の対処法とリンクさせた声かけ、そして強いことばで子どもの行動を制御するのではなく「(一人ひとりの発達段階に応じた)伝わる・わかることばかけに基づく共通理解のうえでのルールの構築」が大事です。
次のようなポイントに留意しましょう。
2 その場の流れ(いわゆる文脈)を逃さない。
3 具体的に(目で見てわかるように)望ましい行動を示す。
例えば「お外に出るときに帽子をかぶってほしい」ことを伝えたいのであれば(繰り返し述べたことではありますが)、お外に出るタイミングを見計らって(2)、「今日はお外がとっても暑いから、お外に出るときは帽子をかぶりましょうね」と言うのではなく、本人が外に注意が向いたタイミングで外を示して次いで帽子を見せて(3)、靴を履く前に「帽子をかぶります」とだけ短く言い(1)、自分もやってみせてから手渡せばよいわけです。
このポイント3点は、障害の有無にかかわらず気をつけておきたいところです。