効果を判定するには「適切な比較」が必要
こうした「薬を使った」「病気が治った」「薬が効いた」といった前後関係だけで、因果関係――つまり原因と結果だと断定する論法を「三た論法」と呼びます。
薬の効果を正確に判定するには、「三た論法」ではなく、臨床試験による比較が必要です。ある薬で病気が治るかどうかは、薬の服用以外の条件をできる限り一致させたうえで、<薬を飲んだ集団>と<薬を飲んでいない集団>にランダムに分け、それぞれの集団のうち病気が治った人の数を数えて比較する臨床試験を行えばわかります。当然、薬を飲んでも病気が治らない人、薬を飲まずに病気が治った人もいますが、集団全体で比較して薬を飲んだ集団のほうが病気が治った人が多ければ、薬は効くと判定できるのです。
ただし、新しい感染症やきわめてめずらしい疾患では十分な比較ができないため、やむを得ず緊急避難的に既存の薬を使うことがあります。例えば「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」の流行初期には効果的な薬がなかったので、抗インフルエンザ薬の「アビガン」、抗寄生虫薬の「イベルメクチン」といった既存の薬が使われました。
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