子を思う気持ちと、自分を生きること
今回、『母親になって後悔してる、といえたなら 語りはじめた日本の女性たち』の書評は、抵抗なく引き受けた。おそらく、少し大きくなった子どもたちと意思疎通ができるようになり、私がどんな人間であるか、どんなに彼らを愛していて、初めて会ってから10年以上経った今も、会えたことがうれしいと感じていることを、彼らも分かってくれているだろうという、まあ実際は分からないけど、そんなつながりを日々感じているからだと思う。
それに、2年前にこういった本が世の中に登場したことで、意識的にも無意識的にも、人々の心の中に「そりゃあ、母親は大変なんだから、『つらいな、自分を取り戻したいな』と思うことは自然なことだろう」という認識がうっすらとでも生まれた、若しくは母親たちが自分の後悔を許した、というのもおおいにあると思う。
母親の、子を大切に思い慈しむ気持ちと、自分自身という人間を生きることは別であるという認識がもっと広がることで、男性や社会も母親を助けやすくなると信じたい。