日本人の約7割が腸漏れを起こしている?
これはあくまで推測ですが、第1回でお伝えしたように「日本人の8割以上はたんぱく質不足」ということと考え合わせると、「腸漏れの疑いあり」という人も、同程度いるのではないでしょうか。
実際に、健康産業専門紙の『ヘルスライフビジネス』(2023年5月1日発行)では、日本人の約7割は腸漏れを起こしている可能性があることが指摘され、コロナ禍のストレスにより自律神経が乱れた人が増えていることから、腸漏れを起こしている人がさらに増加している可能性にも触れられています。
ただし現在、腸漏れを調べる検査はなく、内視鏡検査でもわかりません。腸漏れの可能性を推測できるのは、IgG検査(遅延型フードアレルギー検査)、ゾヌリン検査(腸壁細胞の間に存在するたんぱく質であるゾヌリンの量を検査)、オーソモレキュラー栄養解析、腸内フローラ検査(便を検査して腸内細菌の種類や数を調べる)などです。これらはすべて自費診療の検査になります。
私たちのクリニックで行っているオーソモレキュラー栄養解析は、「分子整合栄養医学」と呼ばれるもので、血液検査によって栄養状態を解析します。そうして、解析結果の数値を分析し、その人の体の栄養状態を把握することで、必要な栄養素や不足している栄養素を見極め、最適な量を細かく調整しながら補給し、食事や生活習慣を改善して体が本来持っている力を高めていくという栄養療法に用いられます。
腸漏れの危険度をセルフチェック
オーソモレキュラー栄養解析では、血液検査で体内のたんぱく質量に関わる数値が低いと「たんぱく質の摂取量が不足しているかもしれない」「腸漏れが起こってたんぱく質がうまく吸収されていないかもしれない」または「アレルギーの原因物質が腸から入り込んでいるかもしれない」と考えます。
いずれの検査も「腸漏れの可能性を推測する」というものなので、受ければ明確な結果がわかるというものではありません。
とはいえ「自分は腸漏れしているのか?」気になりますよね。そこで、我々が参考にしている腸漏れの危険度チェックを紹介します(図表3)。生活習慣や食習慣、体調のことなどを振り返りながらチェックしてみてください。