ルンバを月額1200円でレンタルできる日本独自のサブスク

2018年10月に同社が発売した「ルンバe5」は、ロボット掃除機として価格競争力のある5万円を切る価格(税別)でありながら、頭脳や吸引力は上位機種並みという、圧倒的コストパフォーマンスを誇る。これにより同社は、多くの新規ユーザーの取り込みに成功した。

その後、さらに普及率を上げるために、同社はルンバを月額1200円からレンタルできるサブスクリプションサービス「ロボットスマートプラン」を開始する(19年6月〜。現在は月額980円からのプランあり)。

これは本国の米国でも実施していない日本発のサービスであり、2年の構想期間をかけて実現したという。「ロボットスマートプラン」は、これまでロボット掃除機を導入したことのない顧客に使用機会を広げた。

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さらに、アイロボットジャパンは、サブスクリプションサービス開始から1年が経過した20年6月8日、顧客の声をもとに「製品ラインナップ拡充」、「契約期間の短期化」、「さらなる低価格化」をかなえた「ロボットスマートプラン+(プラン)」をサブスクで開始すると発表した。

床を裸足で歩く日本人向け、床拭きロボットもサブスクに

「ロボットスマートプラン+」では、ロボット掃除機「ルンバ」に加え、床拭きロボット「ブラーバ」の各ラインナップが追加された。夏になると床を裸足で歩くことが多い日本の習慣から床拭きロボットは日本では人気であることからだ。

さらに24年2月からはアイロボット初の空気清浄機「Klaara p7 Pro」も対象としている。この改定では、業界でも革新的な「期間縛りの撤廃」や、「価格改定・継続割引」をはじめとする3つの大きな改定を実施することによりロボット掃除機がより身近な存在となり、導入のきっかけとなることを狙ったものである。さらには公式整備済みのリユース品を活用するなど、環境にも配慮した設計となっている。

こうして同社は、ロボット掃除機を使ったことがない消費者層に対して、簡単に試せるプランを充実させて、市場を開拓していった。

その結果として、同社はロボット掃除機の世帯普及率を高めることに成功した。ルンバe5の発売前の世帯普及率は、4.5%だったが、その後、ロボット掃除機の世帯普及率は、19年6月時点で、5.1%、20年5月末時点で6.5%、さらに22年2月には8.3%まで高めることに成功している(同社調べ)。