親会社・ダイキンのビジネスモデルに影響も
空調に関する顧客の悩みは、顕在化されている省エネルギー、省コストのみならず、猛暑、熱中症における空調の重要性の増大、慢性的な人手不足、管理の手間の増大からくる所有から利用へのニーズなど、潜在的なものも多い。
そこで本事業では、ダイキンエアテクノとエアアズアサービスのエンジニアが、顧客の空調環境を効率的に分析できる仕組みにしている。潜在的なニーズも含めて、調査により明らかにする必要があるからだ。
親会社であるダイキンは、従来の売り切りモデルでは代理店に空調を販売してもらい、設置業者が設置をしてきた。だがエアアズアサービス社の事業に関しては、商品の売り方そのものが変化した。ダイキンは当事業として設計、施工から、保守、エネルギーマネジメントまで、技術とサービスをワンストップで提供することとなったのだ。
エアコンメーカーというだけでなく、空調の使用環境も管理
それに伴い、人材に求められることも大きく変化した。顧客の使用環境をしっかりと理解し、コンサルタントとして使用環境を分析する能力、デジタル技術の理解と活用能力も必要となり、それらのスキルの教育や開発を行っていった。結果として顧客との接点が強化され、顧客と直接繫がるビジネスモデルへの転換につながっている。
本サービスに対する顧客からの反応はよく「冷暖房に対する不満が解消された」と評価する声が最も大きい。空調などの設備管理の人材が不要となるため、人的リソースの問題が軽減され、突然の修理費など突発的な費用も必要なくなる。
「Air as a Service」の実績は約40(22年年4月時点)の施設にまで広まり、特に病院への導入実績が最も多い。病院は空調の運転時間が長く、患者や働いている人々などからの、空気の品質に対するニーズが強いのが特徴だ。エアアズアサービス社では、同様に空気の品質を求める施設に対し、省エネ・省コストのメリット、空調故障への不安解消などを押し出し、本サービスを訴求している。