「poor」の意味を「No money!」と答えた児童をほめた。「become」を正しく答えた児童がいなかったので、ホワイトボードに絵を描いて説明する。少女とおばさんの絵を描いて、絵の間に矢印を入れる。矢印方向の変化で「become」の意味が伝わる。英語だけでどんどん授業が進んでいった。
 エリス先生は単語だけでなく、物語の内容に関しても、子供たちに英語で質問する。「主人公は誰?」「何を売ったの?」「そのあとどうなったの?」「この主人公は木を愛しているの?」「木は主人公を愛しているの?」。数人の優等生だけでなく、何人もの児童が、エリス先生の質問をしっかり理解して返答している。

さらに、このストーリーに関する自分の考えを自由に書かせる。2人の先生は児童の間を巡回して、英文作りの過程を見守る。「Rise your hand!」という合図で、数人の児童が「待ってました!」とばかりに勢いよく挙手した。

返答は「The boy is bad」「The tree is nice」のような単純なものであるが、そのあとに「because」をつなげて何とか自分の考えを説明しようする積極的な態度が見える。とにもかくにも、実際に英語を口にすることが重視されていた。

これだけある無料の英語イベント

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※地方都市の場合。海外研修先はカナダ、オーストラリアなど。

高敞南小では放課後にも、任意だが、各学年週3時間の英語の課外授業が行われている。費用は自治体が負担するので、追加の授業料を支払う必要がないこともあり、ほぼ全員が参加する。

夏休みや冬休みなど、長期の休暇期間にも、任意参加の英語の特別授業が用意されることが多い。時間や期間は学校によってまちまちだが、高敞南小の「冬休み英語キャンプ」の場合、毎日1時間の授業が4週間受けられる。気になる費用のほうは、これも地方の場合は、教育庁からの支援を受けて無料で行われることが多い。家庭の負担金があったとしても、一般の塾よりも断然安い。