普段使うものの「爆買い」は結局、損
話をセールに戻しましょう。ルーティンで使用しているものが割引価格で購入できるのであれば、本来よりも支出額が少なくなりますから、循環構造にとってはプラスです。反対に、安さにつられて爆買いをしてしまい、支出額が膨らんでしまうと循環構造にとってはマイナスです。
不要なものを買ってしまうのはもちろんNGですが、普段使うものであっても、使用頻度を超えた爆買いは、食材だと消費期限に追われたり、乾電池など、品質が劣化するものだと、結局は損をすることになってしまいます。
未使用の下着や靴下なども、使用済みのものほどではないにせよ、劣化は進みます。化学繊維、天然繊維に限らず、繊維は一般的に使用しなくても劣化し、衣服に使われる化学繊維の寿命は、おおむね製造日(使用開始日ではなく)から2~3年といわれています※。
※「パンツや下着の捨てるタイミングは?おすすめ買い替え頻度をご紹介‼」
このように、「得したつもりが損をした」とならないために、マクロの循環だけでなくミクロの循環に注目してください。どういうことかというと、家中のものを「循環しているかどうか」という視点で見直すのです。乾麺や調味料、洗剤などは通常の使い方を念頭に置き、どのくらいのストックが適切かを決めておきます。
そうすると、割引価格で大量購入した場合、使い切るのにどのくらいの期間がかかるかが把握できますから、適量の購入にとどめたり、消費期限のあるものは避け、劣化しない商品に絞ったりすることができます。
保管するものが増えるとデッドスペースができてしまい、循環の妨げになることにも要注意です。家の中にある品物がどのように消費され、在庫がどのくらいあるかが常にイメージできるようにしておきたいものです。
お金が貯まる人のセールの活用法
また、衝動買いした洋服が、すでに持っているものと同じようなものだったという話はよく聞きます。洋服や靴、バッグなどは、すべて並べてみて、最後に使った(着た)のはいつか、今後も使うかどうかを自問自答してみます。
久しぶりに出してみたら、黄ばんだり虫が食っていたり、皮が固くなっていたり、ということもあります。メンテナンスをきちんとしながら循環させていく(使っていく)ことを意識しましょう。
家庭内の循環構造を整えたうえで、恒例のセールを上手に活用すれば、支出総額を抑えることに貢献し、好循環で翌年につなぐことができます。あるいは、抑えられた金額を他の支出に回すこともできます。