会社員でも確定申告すれば得することも

会社で「年末調整」をしているので、「確定申告」をしなくてもいい人の中には、しなくてもいいけれど「確定申告」をすれば、払い過ぎの税金が戻ってくるという人がいます。それは下記に当てはまる人たちです。

・医療費が年間10万円以上かかった人
・マイホームを住宅ローンで買った人
・災害や盗難で被害を受けた人
・ふるさと納税で寄付をした人
・株や不動産で損をした人
・退職金をもらった人
・年の途中で会社を辞めた、転職した人
・「年末調整」後に結婚した人

どんな人が確定申告すべきか、ひとつずつ、見ていきましょう。

「確定申告」で払い過ぎの税金を戻せるケース

・医療費が年間10万円以上かかった人

1年間に家族で10万円以上(or総所得の5%)の医療費がかかっていたら、これを超えた額を「確定申告」すれば、払い過ぎの税金が戻ってきます。これが「医療費控除」です。申告する医療費は、まとめてもっとも税率が高い人が「確定申告」するのがポイント。税金が戻ってくる率が高くなります。

離れて暮らしている父母などに仕送りをしているならば、「生計を一にしている」と見なされるので、家族合算できます。

病院や薬局でかかったお金だけでなく、ドラッグストアで買った市販薬、インプラントなど自費診療の歯科治療費、子どもの歯の矯正費用、治療目的のマッサージ治療など、さまざまなものが対象になります。あまり知られていませんが、親の介護費用などの一部も「医療費控除」の対象となっています。一回一回は少額でも合算すれば10万円を超えることもありますので、薬、病院などの領収書は何でも必ず保管しておくことをオススメします。

・マイホームを住宅ローンで買った人

住宅ローンを組んでマイホームを買った人には、表のように、最長13年間(中古は10年間)、「住宅ローン控除」で払い過ぎの税金を戻してもらうことができます。

「住宅ローン控除」は住宅ローンを組んでマイホームを取得した時に、ローン残高に応じて所得税が戻される制度です。ただし、戻るのは、納税額の範囲内なので、収入が低かったり、医療費控除などで税金のほとんどを戻してもらうと、控除額は大きくても“戻してもらう税金がない”ということになります。

この制度は、2022年の制度改正で2025年12月末までと4年間延長されましたが、2026年以降どうなるかはわかっていません。

「確定申告」が必要なのは1年目のみで、2年目以降は「年末調整」になります。ただし、住宅ローン控除は対象となる住宅や控除を受ける人に条件があり、該当しなければ受けられません。

出典=国税庁HP

・災害や盗難で被害を受けた人

台風のような自然災害や火災、盗難のような理由で損害を受けた人は、「雑損控除」という所得控除が適用され、「確定申告」をすれば、払い過ぎの税金を戻してもらうことができます。

ただし、災害の場合には「雑損控除」とは別に、「災害減免法」という、税金を戻してもらえる仕組みがあり(その年の所得金額の合計額が1000万円以下の人が災害にあった場合)、両方は使えないので、どちらかを選んで「確定申告」で税金を戻してもらうことになります。

どちらが有利かは、税務署で計算してもらい、有利なほうを選んで申告するといいでしょう。