人は手を貸した相手のことを好ましく思う
「不協和」というのは、自分の中で矛盾が生まれるということです。相手のことが嫌いだったら、手を貸したという行為に気持ちと行動の矛盾が生じます。矛盾を感じることは居心地の悪さにつながるので、人にとって好ましい状態ではないため避けようとします。
そこで、「認知」、つまり考え方を転換させようとするわけです。好きだから手を貸したのだと思えば矛盾がなくなり、心地が良いですよね。だから手を貸した相手のことを好ましく思うことが多いのです。
とはいえ、あんまり大きな頼みごとをするのは相手の負担を大きくして、かえって不快な気持ちを生み出してしまう可能性もあるので、あくまでも“小さな頼みごと”をするのがポイントです。
「ちょっと教えてください」
「ちょっと聞いても良いですか」
「ちょっとだけ力をお借りしたいのですが」
もちろん、頻繁すぎて迷惑がられては元も子もないので、なんでもかんでもということではありません。
もしも相手との距離感に悩んだら、なにか困ったことがあった時に、まずは少しだけ勇気を出して、小さなお願いをしてみてください。そうしていくうちにだんだんお互いの好意が高まり、生まれてしまった溝を埋め、たとえば気分に合わせてランチタイムに声をかけ合うことや、仕事や日常のコミュニケーションも、もっと楽になっていきますよ。
「ちょっと教えてほしいことがあるのですが」で、接触回数を増やすことから始めよう