資産運用でもPDCAサイクルを回すことが重要

5000万円の財産の大半をつぎ込んでしまうような、FPによる投資計画の提案は、リスクを念頭に置かずに、図表1のグラフをイメージしているからなのかもしれません。確かに、図表1のように資産が順調に増えていくのなら、運用しなければ損です。でも、私たちのところに相談に来られたお客様は、直感的にそんなはずはないと感じ取ったわけです。こんなシミュレーションを使って資産運用のPDCAサイクルを回そうとしても、経済ショックが来ればサイクルは崩壊してしまいます。では、どうしたらいいのでしょうか。

資産運用でもPDCAサイクルを回すために、まずは適切な計画(Plan)を立てることが大切です。そのためには、将来の投資成果をリターンだけでなくリスクも含めて予測したいところです。そんなことができるのでしょうか。

実は、資産運用におけるリスクは可視化することが可能です。将来の投資成果はリターン(1年間の収益率)とリスク(リターンのブレ幅のこと。標準偏差)があれば計算することができます。

資産運用シミュレーターで投資成果を予測する

最近は、あちこちのホームページで、条件を入力すればどれくらいのリターンが期待できるか、つまり将来の投資成果をシミュレーションできるようになってきました(モンテカルロシミュレーションという手法を使っています)。私たちはモンテカルロシミュレーターも開発していますが、これから使う私たちオリジナルの資産運用シミュレーターは、確率の計算式をひねりだしてロジックを作っています。

最初に、120万円を先進国株式ファンドに一括投資すると1年後にどれくらいの金額になると予想されるか試算した結果を見てみましょう(図表4)。このグラフは縦軸が金額(万円)、横軸が投資期間(月単位)となっています。