皇后さまの進言で実現
今回、一般参賀が実施された背景には、皇后陛下が天皇陛下にご熱心に進言されたという経緯があったようだ(「女性自身」2月22日6:00配信)。
天皇陛下ご自身としては、むしろ中止を望まれたらしい。
「震災で多数の犠牲者が出てしまい、被災地で多くの人々が困難な生活を余儀なくされている状況で、自分の誕生日を祝ってもらうのは忍びない」というお気持ちからだった。
天皇陛下と皇后陛下の真剣なお話し合いは6日間にも及んだとされる。幸いに実施が決まった。
そのご決定の背後にあるお考えについては、宮内庁関係者の談話として次のように伝えられている。
「(西村泰彦)宮内庁長官は(2月)8日の会見で……『(能登半島地震から)復旧、復興に向けて前向きに生きていこうとする姿に接し、現地にエールを送るために、われわれが今やるべきことに全力を注ぐという考えにいたった』とも話していますが、これがまさしく両陛下のご結論なのです」と。
被災地に「エールを送る」
一般参賀の実施が発表された2月6日には、天皇・皇后両陛下、敬宮殿下がおそろいで、気象庁長官や防災担当の内閣府政策統括官から被災地の実情についての説明を聴いておられる。
その前日にも、政策研究大学院大学の広木謙三教授がご進講に当たっていた。その時の天皇陛下のご様子について、同氏は以下のように語っている(「TBS NEWS DIG」2月22日18:51配信)。
「水道が断水するとかですね、あるいはトイレが使えなくなるという厳しい状況がある、と(お話しすると)、常に熱心にお話を聴かれ、それを(ご自身で)整理されていく、と。恵まれない人、困っている人、たとえば災害で困っている人に寄り添っていこうというお気持ちが強く感じられます」(記事中の文字起こしはやや不正確なので、映像の音声からなるべく忠実に文字化した)
そうした被災者へのお気持ちを深く抱かれながら、「現地にエールを送る」という願いを込めて、最終的には一般参賀の実施が決まった。
なお、3月下旬に天皇・皇后両陛下が被災地を訪れられる方向で、宮内庁が調整を進めているという(「TBS NEWS DIG」2月21日10:34配信)。
約1万6000人の参賀者
じつは当日、私も皇居におもむいた。海外で暮らしている長女がたまたま日本に滞在中なので、一緒に皇居に向かった。
3回予定されている皇室の方々のお出ましのうち、2回目が午前11時頃という発表だったので、それを目安にして出かけた。
この日は天候が悪かったせいか、参賀者が少しまばらな印象だった。
しかし、1回目のお出ましの時には多くの人々が詰めかけ、「長蛇の列」だったようだ。ちなみに、この日の参賀者の数は1万5883人。
私らは2回目だったため、人の流れがスムーズで、お出ましを待つ宮殿東庭には、時間的な余裕をもって着くことができた。