「マス」と言われるものの正体

例えばテレビや新聞・雑誌などで株や不動産の特集を組む時に、株価が上昇基調にあれば「今買わないと損する○○銘柄」とか「バブル到来! このチャンスの波に乗り遅れるな!」みたいなタイトルになり、不動産市場が好調ならやはり「狙い目のエリア○選」といった具合です。

長嶋修『グレートリセット後の世界をどう生きるか 激変する金融、不動産市場』(小学館新書)

またアンチの気持ちを引き付けるべく「バブル崩壊の足音が聞こえる」みたいなタイトルと本文で、株や不動産市場好調の恩恵を全く受けていない層の溜飲を下げる効果を狙ったりもします。タワーマンションがしばしば叩かれるのも、それを買えない層のコンプレックスを解消する効果をもたらす格好の材料提供となっているわけです。

一方、株価下降基調においては「バブル崩壊」「底なし沼の市場」といった、これからお先真っ暗のようなタイトルになりがちです。情報を受け取る側は、上へ下へと感情を大きく揺さぶられて大変です。

こうしたメカニズムでメディアから流される記事やオピニオンを参考にして投資の意思決定を行うのですから、思惑通りになるわけがないのですが、これこそが「マス」と言われるものの実態・正体です。

関連記事
【第1回】なぜ「新築マンション離れ」が起きているのか…「高い、狭い、チープ」でステルス値上げを図る住宅政策の大問題
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"
年収350万円、体重100kg、趣味は「酒、麻雀、バイク、風俗」…52歳男性に結婚相談所が伝えた「残酷なひと言」
申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"