パッケージ・デザインのつくり方

大手メーカーのパッケージ・デザインの制作では、デザイン案を何度も修正し、練り上げていくのが一般的だ。その各ステップでデザインの「制作→選定」が行われ、ステップが進むにつれてデザイン案は絞り込まれ、磨き上げられていく。各ステップにおける選定の際には、アンケートなどによる市場調査の結果が参照されたりもする。こうしたプロセスを経てパッケージのデザインが完成するまでには、数カ月を要することが少なくない。

図表1にその一例を示そう。依頼元のメーカーから聞き取った商品コンセプトをもとに、20のデザイン案をつくって選定を行い(ステップ1)、そこで評価の高かった4つの案をさらに練り上げて、ブラッシュアップした4つのデザインのなかから最終候補を1つ選び(ステップ2)、さらにデザインに磨きをかけて最終選定を行う(ステップ3)。このような流れで制作は進む。

AI導入で何が変わったのか

プラグの場合、従前の人の手によるデザイン作業では、上記のステップ1までに2~3週間の期間を要していた。さらに、ステップ2に進む前の依頼元による絞り込みをサポートするため、アンケートなどの市場調査を行う場合は、もう1カ月半~2カ月が必要だった。

デザイン生成にAIを導入すれば、20どころか何百という叩き台のデザイン案が数分で手に入る。さらに選定の際にも、デザイン評価用のAIを使えば、アンケートなどの市場調査を行わなくとも客観的評価がすぐに手に入る。その結果、これまで2~3カ月を要していたプロセスの期間が、3日~1週間にまで短縮されることになった。