特に50~60代は成長投資枠も活用を

ポートフォリオを組む際、まずは積立投資期間から考えます。積立投資期間が5年で1800万円の非課税枠を使い切るには、つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円の積み立てを行います。積立期間が15年以上だと、つみたて投資枠のみで1800万円を使い切れるので、あえて成長投資枠を利用する必要もありません。30〜40代の人なら定年退職まで20年以上あるので、つみたて投資枠で1本だけ選ぶのもいいでしょう。

その場合、複利効果を味方につけながら、資産が大きく増えるような商品選定をしましょう。たとえば、MSCIやS&P500に連動する投資信託なら20年後に資産が2倍近くになっている可能性が高いです。

一方、50代、60代で積立投資期間を15年未満にして、投資枠を使い切りたい場合には、成長投資枠を組み合わせて活用する必要があります。たとえば、積立投資期間を10年にしたいなら、つみたて投資枠1200万円と成長投資枠600万円の組み合わせになります。例を挙げると、つみたて投資枠では全世界株式ファンドを購入し、成長投資枠では高配当株ファンドで定期的な収入を得る方法もあります。

たとえば、世界株式市場への資産分散を考慮しつつ、為替リスクなしで定期的に分配金を得る投資戦略ならば、つみたて投資枠では、「eMAXISSlim 全世界株式(除く日本)」や「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などに投資しつつ、成長投資枠で「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」や「Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」などの高配当株ファンドに投資するという具合です。つみたて投資枠が「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」、成長投資枠で「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」という組み合わせも面白いですね。