いつでも新しいやり方を受け入れる姿勢

また、ハイパフォーマーたちは、自分の行動理由をうれしそうに人に話すものの、そのやり方が必ず正しいと断言することはめったにしない、ということにも気づいた。

彼らのほとんどは、自らのパーパスそのものに自信は持っているが、自分のやり方が利用可能な最善の方法かどうか、常に疑いを持っている

成功するためのより良いプロセスが見つかるなら、いつでも新しいやり方を受け入れるつもりでいる。理由には自信を持っているが、そのやり方についてはこだわらない、ということだ。

ハイパフォーマーが行動理由を人に宣言するのは、自信を感じるためだけでなく、自分に社会的強制力や責任を課す目的もある。仮に私があなたに、ある目標に向かって取り組んでいることと、それが重要である理由を話すとする。

そのとき、私はそれを実現します、と断言するような言い方をすれば、そこに私の自尊心や威信がかかってくる。かくかくしかじかになると約束して、もしそうならなければ、私は自分の約束を果たせなかったことになるのだ。

そのようなわけで、あなたにも、もっと頻繁に自分の大義を、自身に対しても他人に対しても表明することを勧める。

大義を自身に対して表明するというのはつまり、アファメーションによって、自分に言い聞かせることを意味する。

カメラの前で話すのが苦手な自分に言い聞かせる言葉

私の個人的な事例を紹介しよう。約11年前、私は、モチベーションと、自己啓発、能力開発でより多くの人にリーチしたいという目標を掲げた。

YouTubeや、ネット動画マーケティング、オンライン講座が、まだ初期段階にありながらも勢いを増していた時代だったので、動画撮影や、オンライン講座の制作を始めようと決めたのだ。

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だが問題は、カメラの前で話すのがどうにも苦手な私自身だった。カメラが回りだすと、お金をもらったとしても、3文も覚えられず、自然に振る舞えず、手をどこに置いていいかもわからず、どうしようもない状態だった。

ただ1つだけ有利な点があった。それは、自分の大義を自身と他人に表明するという習慣を知っていたことだ。そこで動画撮影に入る直前に、自分にこんなことを言い聞かせていた。

「ブレンドン、これをやる理由は重要だからだ。受講生を思い出せ。彼らの手本になって、目標達成を手伝ってあげよう。それが君のパーパスだ。彼らのためになることをしろ。君はこの仕事が大好きになり、たくさんの人の役に立つ」

これは、カメラ前でうまく演じたい理由を、自信を持って自分に言い聞かせるアファメーションである。そしてこのリマインダーが、パフォーマンスの必然性を生んだ。