成績連動の報酬制は14歳から推奨
・報酬制
報酬制は主に2種類あります。ひとつはお手伝い報酬、もうひとつは勉強やスポーツなどの成績に連動する成果報酬です。
お手伝い報酬は、労働の対価としてお金を得る経験ができます。ただ、「家事は家族で助け合うもの」と考える家庭には、あまりフィットしないかもしれません。大人になれば、家事は基本的に無償です。お手伝いがお金目的になり、人のために役立つ喜びが薄れる可能性があります。
成績連動型の成果報酬は、子どものやる気を引き出すために導入するケースが多いようです。「打算的な思考を植えつける」「目の前にニンジンをぶら下げて走らせるのはよくない」など、否定的な意見もある一方、後ほど紹介する事例のように、工夫次第でうまく運用できます。
実社会に目を向けると、業績連動型賞与もありますし、「金銭でモチベーションを上げる」こと自体は不自然なことではありません。しかし、自分の価値観が未熟な13歳以下の子ども(※)や、成績連動型がプレッシャーになる子どもには、向かないでしょう。
※子どもが社会の一員としての自覚を持ち、自立への準備を進める「社会化期」は14~21歳とされている。詳しくは前回記事を参照
「使っちゃダメ」が口癖になっていないか
私の専門であるファイナンシャル・セラピー(金融療法)の観点から、お小遣いの渡し方を考えてみましょう。
お金との付き合い方に影響を与えるものに、「マネー回避」と「拝金主義」があります。
・マネー回避
お金を拒絶したり避けたりする状態です。たとえば、節約しすぎる、過度にリスクを怖がる、お金を管理したがらないなどのマネー習慣がつきやすくなります。
親がお小遣いを渡しながらも、
「必要最低限しか使っちゃダメ」
「うまく行くかどうか分からないことに使っちゃダメ」
「宵越しの金は持つもんじゃない」
などと、価値観を押し付けて子どもを制限するのは気を付けましょう。前回記事〈「うちは貧乏だから」と気軽に言ってはいけない…子どもの金銭感覚を狂わせる「親のあぶない口癖」〉も合わせてご確認ください。
小学生のうちは、積極的に一緒に買い物に行くなど、親がお金の使い方のお手本を見せながら、一緒にお小遣い帳をつけるとよいでしょう。