「営業規則は、もはや時代遅れで、妥当性を持たない」

今や、無人の自動運転車が走行する時代です。松宮教授は、こうした現状に照らしても、今回の大阪地裁判決は見直されるべきだといいます。

「現在の道路交通法は、すでに『運転者の乗車』どころか『運転者』の存在すらも要求しておらず、運転免許すら不要の『特定自動運行主任者』が、『乗車』せずに自動運転車を遠隔監視することが想定されています。つまり、遠隔操縦をする『運転者』が当該自動車に同乗していることは必要ないと解釈をせざるを得ないのです。このような法状況では、クレジットカード会社から貸与を受けている本人が乗車する必要があるように読める阪神高速やNEXCO西日本の営業規則は、もはや時代遅れで、妥当性を持たないものと考えざるを得ないでしょう」

控訴を受けた大阪高裁は、逆転無罪を言い渡すのか、それとも、地裁の下した有罪判決を支持し、多くのドライバーを詐欺の犯罪者とみなすのか……。裁判の今後に注目したいと思います。

写真=iStock.com/gyro
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