治療薬ガイドラインのアップデートも重要

また、現場の医師をはじめとした医療従事者は、日本で承認されている抗がん剤だからといって、安易に製薬会社のMRさんに勧められるまま処方するのではなく、最新の国際的なエビデンスをきちんとアップデートしながら日常の診療に従事するといった姿勢が求められてくるのではないでしょうか。

もちろん、日常診療に忙殺されてこうした情報を逐次アップデートするのは医師にとって簡単ではないでしょう。そこで、学会の出す治療薬ガイドラインも、最新の臨床試験の情報を常にアップデートした指針を示していくことが重要です。

末筆ですが、私自身は日々研究室の中で創薬研究に従事しています。承認を受けて市場に出回るのは、我々が一生をかけて見つけ出せるかどうかの新薬です。患者さんたちのためにも、しっかりと臨床的なベネフィットを明らかにしたうえで、患者さんの利益になるようなお薬が届けられるような世の中であってほしいと願います。

関連記事
がんや早死にのリスクを高めるだけ…和田秀樹が「女性は絶対に飲んではいけない」と話す危険な薬の名前
漢方薬の飲み過ぎで「大腸が真っ黒」になる…医師が「副作用に注意すべき」と警鐘を鳴らす漢方薬の名前
幼い子を持つ母が…"マザーキラー"の異名もつがんを予防する「HPVワクチン」の接種率が驚くほど低いワケ
こんな人と付き合うのは人生のムダである…和田秀樹「50歳を過ぎたら関係を断ったほうがいい人のタイプ」
「タンパク質をとるのにこれに勝るものはない」医師・和田秀樹が高齢者に強く勧める食材の種類