どうしても「救助」したいなら

もちろん、事故現場では「親としての責任を全うしたい」という強い意志を持つ方もおられます。学生時代を通じて競泳で体を鍛えたとか、水球で自己保全技術はばっちり習得したという方々のために、日本赤十字社水上安全法救助員養成講習会があります。

その水上安全法講習会を受講すれば、入水救助が少しは安全にできます。

では入水救助で画像2のようになったとき、どのように子どもたちを引っ張ることができるでしょうか。

ここでは、ごく簡単にご説明しますが、きちんと水上安全法講習会を受講して、最終試験に合格して、さらに日頃から研鑽しない限りは絶対にマネしないでください。本当に命を落とします。

①岸から子どもたちを発見したら、「溺者発見」と声を出してしっかり指をさして、画像3のように顔上げ泳法で近づきます。砕波帯を持ちえる技術でやり過ごし、子どもたちに限りなく接近します。

写真提供=斎藤秀俊さん
顔上げ泳法の一つ。顔を上げるのは、要救助者を見失わないため。2017年5月、新潟県長岡市で行われた赤十字水上安全法講習会で

②ここで画像4のような立ち泳ぎになり、子どもたちに「もう大丈夫だ」と声をかけながらゆっくり近づきます。ちなみに競泳で鍛えた受講者でも、水上安全法の受講開始時には「ダイジョ……」くらい声を出した途端に沈みます。

写真提供=斎藤秀俊さん
状況をしっかりと把握して、声かけをする。2017年5月、新潟県長岡市で行われた赤十字水上安全法講習会で

③子どもたちが2人で浮き輪が二つなら、片手で一つずつ、両手でしっかりつかみます。