④子どもたちの方を向きつつ、背中に向かうべき海岸を向けて、「巻き足」で子どもたちの搬送を始めます。巻き足とは、立ち泳ぎの手法の一つです。

水上安全法では背の立たない水中で5分間の立ち泳ぎを求めています。でも、実際の現場では5分くらい立ち泳ぎがやっとできても意味がありません。溺れます。

⑤お子さんが1人だったら、「逆あおり」という泳法を使って海岸に向かって搬送します。いずれも救命胴衣を着装していると、距離のある救助搬送(自力移動)ではかなり体力を使います。搬送の様子と立ち泳ぎの様子は画像5と画像6にそれぞれ示します。

【画像5】要救助者の搬送
写真提供=斎藤秀俊さん
この方法「リアキャリー」だと、両手がふさがる。2017年5月、新潟県長岡市で行われた赤十字水上安全法講習会で
【画像6】5分間立泳ぎ(巻き足)の3分経過写真
写真提供=斎藤秀俊さん
すでに顔が水没している受講生がいる。最低でも5分間の立ち泳ぎが必須だ。2017年5月、新潟県長岡市で行われた赤十字水上安全法講習会で

赤十字水上安全法救助員養成講習会は、全国各地で開催されています。腕に自信のある方は、ぜひ「鍛えてもらえる」と期待して受講のお申し込みをしてください。

子どもは浮いて待てたから助かった

水難事故で子どもが助かるのは浮いて待てたからです。浮くことができなかった親は力尽きます。

もしどうしてもお子さんの近くにいたかったら、子どもと一緒に浮いてください。でもできれば、ぜひ119番の救助隊を信じて、水に入らないようにして待っていてください。

【関連記事】
日本の酷暑で1000人超の命が奪われている…「水分と塩分をいっぱい摂る」だけでは熱中症を予防できないワケ
「海岸のサザエを拾ってBBQ」は罰金100万円…夏の海の「うっかり密漁」で検挙者数が増えているワケ
「自転車レーン」を駐車中のクルマが通せんぼ…ルールを守る人を危険にさらす「道路の邪魔者」トップ3
「うちは貧乏だから」と気軽に言ってはいけない…子どもの金銭感覚を狂わせる「親のあぶない口癖」
「お母さん、ヒグマが私を食べている!」と電話で実況…人を襲わない熊が19歳女性をむさぼり食った恐ろしい理由