実際の数との相違は…

おわりに

この問題は、傘を用途に応じて3種類に分類し、さらに個人所有と店頭販売という観点に分けて本数を求める問題でした。世界的に有名なボストン・コンサルティング・グループの入社試験で出題された問題です。

東大カルペ・ディエム『一流企業の入社試験』(星海社新書)

実際の調査に基づくと、日本人の傘の平均所有数は約4.2本といわれています。また年間傘消費量は1.2億本以上だそうで、1年間に1人1本は傘を購入していることになります。

今回のフェルミ推定において、個人が所有している傘の本数に関しては実際の数と推定値でとても近い値を求めることができました(個人所有の傘の本数4.83億本÷日本の人口1.2億人=1人あたり4.0本)。

一方、店頭で販売されている傘の本数に関しては、実際の数値1.2億本以上に対し、推定値が年1.8億本と、大きく値がかけ離れているわけではないものの、平均所有本数ほどの精確さではありません。その原因は、「傘の耐用年数である約3年に1回、定期的に傘を買い替える」という人が仮定よりも少なかったためと考えられます。

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