「キャベツの原型」とも言われている

近頃は、これまで日本の食卓でなじみのなかったケールが、一般にも普及してきたと感じます。

なぜなら、料理教室の生徒さんなどに「ケール」の食べ方を教えてほしいと言われるようになったからです。

ケールはアブラナ科の野菜に分類され、キャベツの原型とも言われています。

写真=iStock.com/Suzifoo
「キャベツの原型」とも言われている(※写真はイメージです)

栄養価の高さが特徴で、ビタミン類やミネラルをバランスよく含み、抗酸化作用が強い成分が多いのも特徴です。

日本人には「苦くてまずい」でおなじみ、青汁の原料として思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

実際に、ケールには独特の苦みがあり、茎は固いので、特に生食の場合は葉の部分のみを食べるのが一般的です。

最近では、生のケールを主役にしたサラダを出す飲食店も増え、スムージー、野菜ジュースなどの原料としても使われています。

もちろん、ケールが原料の青汁もどんどん進化して、負のイメージを完全に取り除いたように飲みやすくなっています。

レタスよりも人気

2015年にニューヨークへ行った際、驚いたのはレタスよりもケールの方が人気だということでした。

海外に行くと真っ先に現地のスーパーマーケットやマルシェをパトロールして、野菜売り場を鑑賞するのは私の旅の目的の1つですが、とにかくケールが目についたのです。

サラダ専門店に行けば、刻んだ数種類の生のケールが山盛り状態です。せっかくニューヨークに来たのだからと、前に並んでいた現地の人と同じものを注文したら、直径20cmはある大きな容器に入ったケールと鶏胸肉のサラダが出てきました。

当時のニューヨークでは、レストランでも量り売りのお惣菜コーナーでも、ケールが山盛りでした。

これはどうしたことかと聞けば、栄養価の高いケールに目をつけたハリウッドスターが、ダイエットのために食べ始めたことで注目され、ブームに火がついたそうです。

その栄養素の高さから、健康や美容に関心の高いニューヨーカーたちの間で「スーパーフード」と言われ、あっという間に定着したのです。