「好きではない仕事」を楽しく続けるには?

「やるべきことが続けられない」
「成果がなかなか出ない」

このような悩みはよく聞きます。

そもそも、好きだから続けられて、成果が出せるのでしょうか。

それとも、使命感があるからこそ続けられて、成果が出せるのでしょうか。

あるいは、自分にとっていいことがある――給料が上がる、昇進できるから、続けられて、成果が出せるようになるのでしょうか。

アメリカ・イェール大学の研究で、「好きだから続けられる」というのが、長期的に見て成果が出せるということがわかってきました。

「苦しくてもやるのが仕事だ」のように、教えられることがあるかもしれません。

しかし脳科学の研究から見ると、一番大切なのは仕事を好きになることです。好きだから続けられる、そして、続けることで脳の成長サイクルが回って成果が出せるということです。

もしかしたら、皆さんの部下や一緒に仕事をしている仲間に、「好きで就いた仕事でない」という人も多いかもしれません。

そういうときは、まずは深い信頼がある人間関係を作ることを意識するといいでしょう。親しみを感じる人、尊敬できる人がいると、職場に行くのが楽しみになり、仕事にも愛着を感じられるようになるからです。

「心の安全基地」をつくる

親しみを感じる仲間がいて、それが心の安全基地になることはとても重要です。「この仲間と一緒にこの仕事ができることがありがたいな」となると、だんだん仕事が好きになっていきます。

写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです

親しみを感じる人、尊敬している人に、「いまやっていることはとても大切なことなんだよ。あなたはそれだけ大切なことをやっているんだよ」と言われたらさらにモチベーションが上がりますよね。

そもそも、いま自分が好きなものというのは、時間を戻して突きつめていくと、一生懸命にやっていたのを親がほめてくれたとか、友達が「すごいね」と言って一緒に喜んでくれたとかがあることでしょう。

ちなみに、心の安全基地というのは、もともと心理学で「子どもは親との信頼関係によって心の安全基地を育む」というのがありました。

この心の安全基地が大人にも必要ということがわかってきました。

子どもの場合は、母親などの大人が「心の安全基地」、子どもが「冒険者」というように役割が固定されていますが、大人の場合は心の安全基地と冒険者の役割が固定されておらず、場面に応じて入れ替わります。

この心の安全基地があるかどうかが、脳や体の健康に影響を与える、ともいえる研究結果もあります。

皆さんの心の安全基地はありますか?

また、仲間の心の安全基地になっていますか?