実力が上の相手にも「位負け」しない

さらにサイコパスは、たとえ自分より実力が上の相手に対しても、「位負け」することがありません。たいていの人は、格上の相手と勝負するときには、「どうせ勝てっこない」と最初から白旗をあげてしまうものです。これでは勝負になりません。

ところが、サイコパスは違います。

英国の公立研究大学であるリンカーン大学のリー・クラストが、69名の男性アスリートと36名の女性アスリートを調べた結果、リスクを恐れないサイコパスはメンタルが非常に強く、心理的に萎縮することもないことがわかっています。

たいていのスポーツは、特にトップレベルになればなるほど、実力にほとんど差がありません。では、どこで差がつくのかというと、それはメンタルの強さ。メンタルが強いほうが、結局は勝負に勝つのです。

サイコパスはメンタルが異様に強いので、スポーツ選手としては大変に適性があると考えられるわけです。

テストステロン濃度が高く、恋や仕事に積極的

私たちにやる気や意欲を与え、エネルギッシュにし、チャレンジ精神を旺盛にしてくれるホルモンに、テストステロンがあります。テストステロンは男性ホルモンの代表的なもので、この濃度が高い人ほど男性的で、いつでも力が漲っています。

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サイコパスは、恋愛でも仕事でも非常に積極的で、ガンガン突き進んでいこうとする傾向がありますが、それはテストステロン濃度と関係があるのでしょうか。

米国ウェイン州立大学のキース・ウェルカーは、237名の大学生にサイコパステストを受けてもらうと同時に、唾液も採取しました。

サンプルの唾液に含まれているテストステロンの濃度を調べると、サイコパステストで得点が高くなるほど、テストステロンの濃度も高くなることがわかりました。ただし、この相関が見られるのは男性だけでした。

つまり、サイコパスの男性はテストステロンが過剰に分泌されているのです。