サイコパスの良いところ、悪いところは何か。心理学者の内藤誼人さんは「サイコパスであることは、決して悪いことではない。サイコパスの男性はテストステロンの分泌量が多く、恋愛でも仕事でも非常に積極的であるため、成功する見込みがかなり高くなる。また、いつも堂々としていて自信満々に見え、異性にモテるので、相手に不自由することはほとんどない」という――。

※本稿は、内藤誼人『面白すぎて時間を忘れるサイコパスの謎』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

握手するビジネスマン
写真=iStock.com/howtogoto
※写真はイメージです

「メンタルの異様な強さ」がアスリート向き

サイコパスは、アスリートとしても成功する可能性が高いと考えられます。

なぜなら、負けず嫌いだから。

サイコパスは、男性ホルモン(テストステロン)が普通の人よりもたくさん分泌されているので、攻撃的で、競争心にあふれています。

どんなスポーツもそうだと思うのですが、「絶対に負けないからな!」というマインドが強くなければ、トップ選手に上りつめることはできないでしょう。

また、ときにサイコパスのルール無用の反社会的性格もアスリート向きです。

サッカーには「マリーシア」という用語があります。

ポルトガル語で、「狡猾さ」や「ずるさ」を意味する言葉です。審判が見ていないところで、相手選手のユニフォームを引っ張ったり、相手選手と接触した際に大げさに転倒して押し倒されたと審判にアピールし、ペナルティキック(PK)を奪ったりする作戦のことを指して使われます。

スポーツマンシップという言葉があるように、「正々堂々と戦うのがスポーツマン」というイメージを持っている読者もいると思うのですが、プロの世界はそんなに甘くありません。必要なら反則スレスレ、いえ、明らかな反則行為でも平然と実行することがあるのです。

その点、サイコパスはもともと「ルールなんて知ったことか」と思っていますし、勝つためなら手段を選ばない非情さも持ち合わせているため、そういうところもアスリート向きだと言えます。