年下の人からも大きな学びを得られる

日本では、学校の先生は子どもたちよりも年上で、「年上の人が教える」というモデルが存在しています。構造上、教員免許は基本的に22歳の4年生大学卒業で取得できる仕組みになっているので必然的に仕方のないことですが、これは何歳になっても学べるという認識を疎外しているのではないかと思います。

例外はありますが、実は通信教育や社会人教育でもその傾向は残っています。この構造が年下の人からは教わることはないという思考を私たちに植えつけ、年上の人たちの学ぶ意欲を下げているように思います。そして、何歳になっても学べる、学んでもよいという認識を持たない一つの理由となっているのではないでしょうか。

私は2021年4月に「調和塾」を立ち上げました。これは年下の人から年上の人が学ぶという構造にしています。発表するのは基本的に高校生や大学生、若手社会人で、参加者の年齢は30代から60代の人がほとんどです。

現代社会の最先端、時代の先頭を歩いている若い世代からその体験を聞くということに、大きな学びがあります。大人が社会認識をアップデートしていく、そして大人が持っている経験や知識、人脈、お金を若い世代に提供する、応援する、サポートする。そういったサイクルをもっと広めていきたいと思ってます。

不登校を生み出す義務教育システム

呪縛その② 学校に通うことが学ぶこと

日本の小中学校はほとんど落第がありません。病気などによって、学年が遅れることは例外的にありますが、小中学校はほぼ100%、高校の場合にも、所定の日数を通えば卒業できる可能性が極めて高いのが実状です。

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また今の日本の学校は、不登校であってもなんらかの形で校長が卒業認定をすれば通わなくても卒業させてしまいます。そのため、小学校で学ぶべきことを学ばなくても中学校に入学できます。

しかし小学校で学ぶべきことを学んでいないので、中学校の勉強についていけずに授業がわからない。そうすると中学生はほとんど不登校になる。でも校長が中学校卒業のハンコを押せば卒業したことになる……。本当にこれでは何を保証しているのかわかりませんね。