「共産党主導の候補者に見える」

共産党は、小池晃書記局長が「最強、最良の候補者」と持ち上げ、6月に入って「蓮舫さんを都政に押し上げ」「日本共産党も蓮舫さんを全力で応援します」と記したビラを各戸配布したほか、街頭演説や集会に党関係者を動員するなど、支援の前面に出てきた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は6月11日の記者会見で、蓮舫氏について「共産党主導の候補者に見える。共産主義は受け入れられず、一体となって活動する候補者の応援は困難だ」と述べ、支援しない考えを明らかにした。国民党都連は、19日に小池氏支持を打ち出す。

連合の清水秀行事務局長も、6月12日の共同通信のインタビューで、蓮舫氏について、共産党と一体となって活動し、「受け入れられない」などと批判した。連合東京は19日、前回2020年の都知事選に続いて小池氏支持を決定したが、コロナ禍の就労支援策やカスタマーハラスメント防止条例の制定に向けた検討も評価したとしている。

立民党の野田佳彦元首相は14日のTBSのCS番組で、蓮舫氏には共産党との連携のあり方に注意するよう助言した、と明らかにした。野田氏は「自民党は『蓮舫氏が革新色を強めている』と強調する。そう見られないよう未来を語り、堂々と勝負してほしい」「詰問する仕分けの女王のイメージが強い。笑顔を前に出してほしい」と要望したという。

野田氏は17日のブログでも「ステルス作戦で現職を応援する自民党は蓮舫さんを革新扱いしているが、『赤いきつねと緑のたぬき』の戦いではない」と警戒感を強めている。

「東京大改革をこれからも進めていく」

小池氏の出馬表明は、都議会定例会最終日の6月12日にずれ込んだ。新型コロナウイルス対策や東京五輪・パラリンピック開催など2期8年の実績を列挙し、「『東京大改革』をこれからも進めていく覚悟を持って出馬を決意した」と述べた。

選挙戦は、公務を優先し、無所属として戦っている。自公両党と都民ファーストなどは、小池氏側が作った確認団体「東京をもっと!よくする会」に都議らが個々に参加するやり方で支援に回った。

小池氏は、6月14日の定例記者会見で、蓮舫氏が「小池都政をリセットする」と主張したことへの見解を問われ、「(都民が)困るんじゃないですかね」とかわしたが、戦闘モードが高まったのは間違いない。

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小池氏は、4月の衆院東京15区補選告示を控えて、自民党の閣僚経験者に「なぜこの局面で国政に戻らないのか」と問われ、「自分が進めてきた都政改革(東京大改革)を、後任の知事にひっくり返されるのが嫌だから」として補選出馬を断った、と伝えられている。

小池氏は18日午前のオンライン記者会見で、公約を発表し、「都民の命と暮らしを守る『首都防衛』を進める」と語った。東京の合計特殊出生率が0.99とついに1を割ったことで、少子化対策を最重点政策に掲げた。