日本の割安銘柄はまだまだ外国人が買ってくる

――外国人の日本株買いが増えているといわれていますが、今後も増えますか。

【エミン】そうですね。日本にはまだ割安な銘柄がけっこうありますから、増えると思いますよ。日本への直接投資も増えているし、日本企業の利益率も上がっているから、今後さらに海外からお金が入ってくることは十分に考えられます。

それに日本もインフレになっているでしょ。インフレの時期にはリスク資産の価格は必ず上がるので、株価は上がるはずです。

撮影=遠藤素子
「日本にはまだまだ割安な銘柄が多いから、外国人の買いは増えると思う」とエミンさん。

――エミンさんは日経平均株価が長期的に30万円になるとおっしゃっていますが、それは変わりないですか。

【エミン】まったく変わりませんね。

――パックンさんは日経平均株価についてはいかがでしょう。

【パックン】30万円はしばらく先でしょうね。来世紀に見ることができるかもれませんけど。ただ、アナリストの意見を聞くと「日本の株はまだバリューがいい」といいます。つまり、アンダーバリュー(*)されているから、買い得だとの見方が多いのです。バークシャーハサウェイのバフェットも売ってはいないようですし(笑)。

だから日本株が上がる余地がまだまだあると思います。ただ、バランスを取ってほしいと思いますね。読者のみなさんの多くは日本企業で働いているから、日本に対するリスク・エクスポージャー(特定のリスクにさらされる比率)は十分に高いと思います。世界の株も持って分散してほしいと思いますよ。

*企業の本質的価値よりも株価が低く評価されている状態。

インドやベトナムへの投資は有望か

――その意味では投資先としてインドやベトナムが注目されはじめています。

【エミン】インドにしてもベトナムにしても、いまのところ日本では個別株は手軽に買えませんから、ETFを資産の一部に置いておくのは悪くないと思いますよ。ただ、資本市場としての健全性や成長度合いではどちらも未熟ですし、とくにベトナムは、MSCIではまだフロンティア市場(*)に分類されています。エマージング市場でもないのです。来年か再来年にはエマージングになるかもしれませんが、そのときには資金が一気に入ってくると思います。だから、資産の何%かをベトナムのETFでポートフォリオの中に入れておくはありだと思います。ただ、集中させるのは危険です。

*新興国の中でも国の規模が小さく、株式市場が未成熟で流動性が低い国のこと。