「高校無償化」でむしろ格差が拡大する

私立高校の授業料まで無償化されると、何が起こるのか。

一般的に、私立高校のほうが施設や設備が充実している。そのため、公立と私立の授業料に差が無くなると、普通は私立に殺到する。その結果、公立高校の人気が下がって定員割れすることが懸念される。

さらに言えば、無償化の財源は税金だが、子どもが私立高校を目指す家庭は比較的裕福な世帯であると予想される。つまり小池氏の高校無償化とは、高額所得世帯を優遇する政策に他ならない。

このようなばらまき政治は、他の自治体との格差を広げることにもなる。私立高校の授業料まで無償になるになら、東京都に引っ越したくなる人が増えよう。それは東京一極集中をさらに悪化させる危険性がある。

小池氏は、6月18日、都知事選での公約「都政改革3.0」を発表した。今回は、「7つのゼロ」のような思いつきの政策の羅列ではないことを期待したい。

なぜ「AIゆりこ」を公開したのか

小池氏は、6月13日、X(旧ツイッター)を1年半ぶりに更新し、生成AIによる本人そっくりの「AIゆりこ」を公開した。

なぜこの手を使うのか。

第一は、話題作りである。この件が話題になれば、選挙活動とほぼ同じ効果を発揮するだろう。

写真=iStock.com/Vertigo3d
なぜ「AIゆりこ」を公開したのか ※写真はイメージです