立憲「今回の東京都知事選は勝ちに行く」
7月7日、七夕に投開票される東京都知事選は、すでに安芸高田市の石丸伸二市長や元航空幕僚長の田母神俊雄氏、タレントの清水国明氏などが立候補を表明しているが、早くも現職の小池百合子都知事と立憲民主党参院議員の蓮舫氏による一騎打ちの様相を呈している。
ビッグネーム対決に注目が集まっているが、その背景には国政も巻き込んだ様々な思惑がひしめき合っている。
「今回の東京都知事選は勝ちに行く」
そう意気込むのは立憲の重鎮議員だ。
前回の2020年都知事選では現職の小池氏に勝利する展望が描けないことから立憲は候補者の擁立に難航、最後はこれまでも都知事選に出馬してきた宇都宮健児氏を支援したが、小池氏に約280万票もの差をつけられて敗れた。
そんな立憲が満を持して擁立したのが蓮舫氏というわけだ。
その背景には、小池氏の東京における選挙の強さ、神通力に陰りが見え始めたということがある。
女帝・小池氏の「神通力」に陰りが見え始めた
元側近である小島敏郎氏による告発によって学歴詐称疑惑が再燃しており、4月に実施された東京15区補選ではタッグを組んだ乙武洋匡氏が5位で落選するなど惨敗している。
ただ、都知事選は小池氏本人の選挙だ。
知名度の高い蓮舫氏であっても、小池氏との戦いは一筋縄ではいかないだろう。
それでも蓮舫氏が出馬を決断したのには、国政の事情が複雑に絡み合っている。
岸田政権が裏金問題で大逆風を受けて低支持率に沈んでいる中、岸田文雄首相は9月の自民党総裁選で引きずり降ろされる前に衆議院を解散することを画策していた。
先に解散総選挙をしてしまえば、その次の総選挙は総裁選から遠くなり、議席を減らしたとしても再選の可能性が高くなると踏んだからだ。
しかし、4月の衆院3補選で惨敗を喫しただけでなく、5月の静岡県知事選でも自民が推薦した候補が敗北。
岸田首相の求心力はますます低下し、党内では解散見送り論が高まっていた。