なぜ小池氏は出馬を表明しないのか
その後、6月4日に自民の都議から小池氏に都知事選の出馬について質問し、そこで出馬表明をするという算段が政界で出回ったが、結局、自民の都議も小池氏に出馬について直接質問することはなく、ここでも小池氏が自身の出馬について述べることはなかった。
都議会関係者は語る。
「小池氏はもともと自民からの推薦を受けて都知事選に出馬する予定だったが、蓮舫氏が現れたことで方向転換を迫られた。蓮舫氏は小池都政について『自民党政治の延命に手を貸している』と批判しており、小池氏も裏金で大逆風の自民から推薦を受けるのはリスクだと考えているのだろう。すでに自民から直接推薦は受けず、間に確認団体を設立して支援を受ける方向で調整が進んでいるが、こうした調整の中で出馬表明が先送りされているようだ」
間に確認団体を設立することで自民から支援を受けていることをカモフラージュする戦法のようだが、そのこと自体がすでに報道されており、小池氏は小池氏で裏金問題で逆風の自民との距離の近さを指摘されてしまっている。
公明も小池氏を支援する方向であり、蓮舫氏が「立憲共産党」と言われるならば、こちらは「自公ファースト」とでも言えるだろうか。
国政の代理戦争の様相も呈している「小池百合子vs.蓮舫」という注目対決。
振り返れば2人ともテレビキャスター出身で、これまで巧みな発言で注目を集めて政界を渡り歩いてきた人物だ。
今回の都知事選出馬もメディアによる報道が過熱していくと見られるが、その結果は都政に、ひいては国政にどんな影響を与えるのか。
告示は6月20日に迫っている。