注目が集まる「選挙公報の経歴欄」
今回の都知事選立候補に当たり、小池氏は、選挙公報の経歴欄にどう記載するのであろうか。
もし、「カイロ大学卒業」と記せば、小島氏は訴えると明言していた。実際、6月18日に小島氏は記者会見を開き、小池氏を公選法違反で刑事告発したと発表している。今後、この問題は司法の場で決着が付けられることになる。
小池氏は、本当にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明しなければならない。また、卒業証明書や成績証明書が正式なものであることも立証せねばならない。
エジプトは、公文書、私文書を偽造するのが当たり前の社会だと抗弁しても、それは日本の裁判所では通用しない。
私は東京大学法学部の卒業だが、卒業証明書もあれば、成績表も残っている。もちろん本物である。小池氏と違って、コピーではなく、本物を公開することができる。
小池氏の著書に書かれた「カイロ大首席卒業」
学歴詐称疑惑が引き続き話題になり、これからも新たな証言が飛び出せば、小池氏は都知事の職務に専念などできないであろう。
小池氏は、若い頃の自分の著書の奥付に、「カイロ大学首席卒業」などと経歴を書き、私には「学生が一人しかいなかったので、首席でもビリでもある」と語った。
ところが、都知事になってからの記者会見では、〈非常に生徒数も多いところでございますが、ただ、先生から、「非常に良い成績だったよ」とアラビア語で言われたのは覚えておりますので、嬉しくそれを書いたということだと思います〉と平気で言ってのけている。
その神経の図太さと嘘をつく能力には脱帽だが、学歴詐称疑惑は今後も小池氏のアキレス腱となるだろう。
ちなみに公選法違反は3年の時効だが、公文書や私文書の偽造は、7年や5年の時効のため、2020年の都知事選における学歴詐称についてもまだ罪を問うことができる。