「食洗機買おうか?」では負担は減るが不満は減らない
家事育児シェアのイライラの原因には、「負担」と「不満」の2つがあります。
「負担」とは、いわゆる手間のことです。片付けるのが面倒くさい、食器を洗うのが大変、毎日毎日ご飯の準備をするのが嫌になる。この負担を軽減するための手法は、「家事代行業者に外注する」「便利家電を使う」「時短家事で工夫する」などいくつかあります。
この「負担」はわりと家族からも見えやすい負荷なので、パパが「ママを助けるために家事をしよう」と思う場合、この「負担」をどうやったら軽減できるかばかりに目が向いてしまいがちです。「食器洗いがつらいなら、食洗機を買おうか?」などがそうです。
ところが、家事シェアとは難しいもので「負担」だけを一生懸命軽減させても、イライラがすっきり解消するものでもない。その理由がもうひとつの原因「不満」にあります。
「不満」とは、いわゆる不公平感のことです。あれもこれも自分ばかりやっていて、指示をすればやってくれるかもしれないけど、逆を言えば指示をしないと誰も何もしてくれない。こうした「不満」は家事代行を頼もうと、便利な家電を購入しようと解消されることはありません。なぜなら、イライラの矛先は「チームメンバーである家族」に向いているからです。
「○○していないほうが、○○する」パラレル家事
ここでお伝えするパラレル家事は、この「負担」と「不満」の解消にぴったりの方法です。完全に5:5で家事育児をシェアすればいいということではありません。重要なのは、数値的な分担割合よりも、お互いを尊重し合う気持ちです。
では、改めてパラレル家事のやり方について解説します。
パラレル家事とは「○○していないほうが、○○する」というやり方で家事をシェアする方法です。
たとえば「料理をしていないほうが、お風呂の準備をする」「部屋の掃除をしていないほうが、子どもを連れて買い物に行く」「洗濯干しをしていないほうが、水回りの掃除をする」など。組み合わせは自由です。
パラレル家事のよいところは、お互いにやることを決められるためとてもフェアな気持ちになる点です。先程紹介した「家事をしているときに、ヒマそうにされてると腹が立つ!」のイライラを一発で解消することもできます。
さらに、家事シェアをルーティン化しやすいのも魅力です。いちいち指示を出すのは結構大変ですから、パラレル家事を使ってルーティンにしてしまえば、いわゆる「言われなくても家族が自立している状態」を簡単につくり出すことができます。
では、以下にもう少し細かなポイントをご紹介します。