夫婦間の家事分担はどのようにすればいいのか。日本で唯一の「家事シェア研究家」を名乗る三木智有さんは「家事・育児のイライラの原因は、負担の多さと、片方が何もしないという不満にある。家電導入は負担しか軽減してくれないので根本解決にならない」という――。

※本稿は、三木智有『家族全員自分で動く チーム家事』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

「時間がない」人におすすめの家事シェア術

「時間の不公平感」と「非効率な家事シェア」の両方を解消していくための実践をしていきましょう。

この不公平な時間感覚の溝に悩む方は「仕事等で、時間を調整することがそもそも難しいんだ」という悩みを抱えているはずです。そして、仕事を調整するとしても、明日からすぐに定時で帰れるようになるわけでもありませんね。そんな時間がない方にこそ効果的なのがパラレル家事です。

パラレル家事とはひと言でいえば「○○していないほうが、○○する」というルールで家事を同時に行うことです。

ただそれだけのメソッドが、なぜ有効なのでしょうか。理由を知った上で実行するのと、知らないままなんとなく実行するのではその意味も応用力も違ってきます。

掃除する妻の横でヒマそうにスマホをいじる夫

家事をする人が一番腹が立つのはどんなときか、考えたことはあるでしょうか?

それは自分が一生懸命家事をしている横で、ヒマそうに自分の時間を満喫している家族の姿を目にしたときです。

家事を手伝わない夫に文句を言う妻
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

朝早く家を出なくてはいけないパパに「家族の朝ご飯をつくってから家を出て」とは思わないですし、夜11時に帰ってきたパパに「部屋の掃除してから寝て」とも思いません。無理せずに休んでほしいと思うものです。

でも、休日にママが掃除や洗濯をしている横で、ヒマそうにTVやスマホを眺めている姿を目にした瞬間、不満が爆発するのです。これは、当然パパとママが逆転しても同じです。

じつはこの事実が、チーム家事において欠かせない重要ポイントとなります。