消費税はむしろ「弱いもの助け」と言える

それにお金持ちは、日々の生活における消費も大きい。今月の食費を計算しながら特売の品に手を伸ばす庶民を尻目に、食べたいときにはためらわず、和牛でも高級メロンでもなんでも買い物カゴに放り込む。その財力があるわけです。

うらやましいですよね。しかしそのすべてに消費税がかかると考えたら? 1000万円の車一台、1億円の家一棟に消費税がいくらかかるか、計算してみてください。

そう、それが、「困っている人」を守るお金になるわけです。

お金持ちがお金を使えば使うほど、困っている人を助けるお金になる。消費税は決して「弱いものイジメ」ではないし、むしろ「弱いもの助け」とも言えるでしょう。

出口治明『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)

みなさんが生きる社会は、かつてのヨーロッパ以上――いえ、それどころか世界一の少子高齢化社会です。そもそも、もはや「ヤング・サポーティング・オールド」が成り立たないことは自明です。

しかし、ヨコ――先輩諸国がトライし、しかも成功しているやり方があるのです。決して絶望的ではありませんよね。あとは、やるかやらないかです。

年齢で社会を分けず、がんばれる人が困っている人を助ける。

シンプルで、明るい社会になると思いませんか?

――これが、僕が自分の頭で考えた結論です。みなさんの考えはどうでしょうか。

関連記事
いまの日本は若者に「チャンス」より「屈辱感」を与えている…内田樹が「昭和より令和のほうが意地悪」とする理由
65歳まで年金を払い続けるのはキツイ…実は国民にメリットだらけの「納付5年延長」が実現しない背景
「新NISA増税」というワケではなさそうだが…これから「金融資産はあるが、働かない人」を襲う課税強化案の中身
「東大生・京大生は頭がいい」は錯覚…学校教育を真面目にコツコツ積み上げてきている人たちに足りない視点
「それって感想ですよね」は理屈がおかしい…「屁理屈で論破してくる人」を一発で黙らせるシンプルな返し方【2023下半期BEST5】