「なんとなく」ではなく数字やエビデンスを見る
ヨコとは、「世界」。ほかの国や地域を参考にするのです。
なにか解決すべき問題を抱えたとき、自国の状況だけを見て必死に議論しても、井の中の蛙にすぎなかった……ということは多々あります。
地球上にはたくさんの国があり、それぞれの問題をそれぞれに解決して国をよりよくしようとしているわけですから、視野を広げて海の向こうから学ばせてもらいましょう。いま、自分たちが抱えているのと同じような課題に直面し、すでに解決してきた国があるかもしれません。
タテ・ヨコに加えて忘れてはいけないのが、「算数」です。
印象論や「なんとなく」ではなく、数字やエビデンスを見よということです。エビデンスは日本語にすると「科学的根拠」。わかりやすく言えば「だれが見て考えても同じ結論に至るデータ」です。
「肩車型」の日本の未来は暗い?
三種の神器「タテ・ヨコ・算数」を使って、ひとつ練習問題です。
お題は、「日本の未来は暗いのか?」。
とくに少子高齢化で肥大する社会保障費の増大、それに伴う制度崩壊に関しては、しばしばメディアでも取り上げられることです。「税の原理原則」でいえば、「給付が負担を大きく上回っている状態」ですね。
まずは、ファクトの把握から入りましょう。
高齢者1人を養うために何人の若者が必要かを示した、「支援比率」という言葉があります。若者が高齢者を持ち上げているイラストを見たことがあるでしょう。あの概念をあらわす言葉ですね。
社会保障制度が完成して数年後の1965年には、9.1人で1人のお年寄りを支えていました。ところがこの「胴上げ型」から、次第に若者5〜6人で支える「騎馬戦型」に変化していき、いまや若者2人で1人のお年寄りを支えています。心許ない「騎馬戦型」です。
そして2050年には「肩車型」、つまりおよそ若者1人で1人の高齢者を支えるようになると言われています。みなさんが社会の中核となるころには、お年寄り1人の生活を支えなければならないのです。想像すると、ちょっとしんどいでしょう。