書くことで、自分に与えられた課題がクリアになる
【柳井】あとは毎日の積み重ねが大切です。私はユニクロの社員に向けて、「今日やった仕事について、課題として浮かび上がってきたことを書き留めておくように」と話しています。そして、明日やることを書いておくようにと。
【EJ】それは、書くわけですね? イメージするだけではなく。
【柳井】書きます。それがすごく大事だと思っています。書くことでイメージが明確になる。自分に与えられた課題がクリアになるんです。ビジネスにおいて大事なことは、「今日の現実は、明日のやること」なんです。
【EJ】とてもシンプルでいい言葉ですね。本質を突いている。
【柳井】だからこそ、今日浮かび上がってきたことが明日の成長につながる。そして自分ができないことはやらないほうがいい。できないことに時間を割くのはもったいないですから。
必要なのは、常に一貫性を持って考え続けること
【EJ】柳井さんがいまおっしゃったのは、心理学の世界では「メンタル・モデリング」という手法ですね。常に頭のなかでシミュレーションし、問題があればそれを頭のなかで抽出していく。そして解決に必要なことを常に考える。
【柳井】今日の課題を一日の仕事の終わりに書いていけば、それが明日の仕事につながり、自分の成長、ひいては組織の発展につながる。身近なことに成長の鍵があります。
【EJ】メンタル・モデリングで必要なのは、常に一貫性を持って考え続けることです。物事がうまく運んでいないからといって、勝手に基準を修正してしまっては意味がないからです。
【柳井】基準を考えるにあたっては、客観的な視点というか、外部的な視点が必要じゃないですか? たとえば、ドメスティックな基準で考えていてはダメだと思う。仕事をするにあたっては、常にグローバル・スタンダードを意識することが大事でしょう。