冷蔵庫を貯蔵庫と勘違いしない

家庭用の冷蔵庫内の温度はJIS規格で定められています。それによると冷凍庫の適正温度はマイナス20~マイナス18度です。しかし、冷凍庫も扉の開閉によって外気が入り込むと、温度が上がってしまいます。

マイナス5度~マイナス8度だと見た目には魚も肉も凍っていますが、食材の組織内の氷はすでに解け出していて、それが再冷凍されると大きな氷の粒になります。

長く冷凍庫にあった食品の味が落ちてしまうのは、ほとんどが「冷凍→解け始める→再冷凍」を何度か繰り返したためと考えられます。

つまり冷蔵庫も冷凍庫も、基本的には「食べ物や食品を一時的に保管しておくところ」であり、決して食品ストッカー(貯蔵庫)ではないのです。そう認識を改めるべきでしょう。

スーパーに行く前には、必ず冷蔵庫や冷凍庫をのぞいて在庫を確認する習慣をつけるといいでしょう。のぞいた結果、「今日はスーパーに行く必要はない」という結論になれば、余計な出費も抑えられます。

写真=iStock.com/Edwin Tan
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肉よりも蕎麦のほうが血糖値を上げる

糖尿病になる人の数は、年齢とともに増加します。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年)によると、20歳以上の男性の場合、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は19.7%となっています。

年齢別では30~39歳は1.6%、40~49歳は6.1%、50~59歳は17.8%、60~69歳は25.3%、70歳以上では26.4%となっています。これを見ると明らかのように、年を重ねれば重ねるほど糖尿病になるリスクは高くなるのです。

糖尿病は、インスリンというホルモンが十分に働かず、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう疾患です。糖尿病では自覚症状がほとんどないまま、さまざまな合併症を起こしてしまいます。恐ろしい病気といっていいでしょう。

しかし、食べ物のカロリーに気を配ったり、油の摂りすぎに注意したりしている人は多くても、糖質の量はあまり意識していない人が多いのではないでしょうか。

ざる蕎麦と豚肉の生姜焼きでは、どちらが血糖値を上げるか、ご存じでしょうか。

血糖値を上げる主な要因は糖質(炭水化物)ですから、2つの糖質量を比べてみましょう。

すると、生蕎麦はゆでる前の状態だと100グラムで56.4グラム、豚肩ロースは100グラムで0.1グラムです。

蕎麦は一見すると淡泊でいかにもヘルシーなのですが、実際にはなんと豚肉の564倍もの糖質があるのです。